トレッキング

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ネパールでのトレッキングは年々人気が高まっていて、流通やルートの整備も進んでいます。施設や備品の面ではまだまだヨーロッパや日本には追いつけていませんが、大ヒマラヤルートという圧倒的なスケール感において、他を寄せ付けないずばぬけたポテンシャルを秘めています。 中でも近年提唱されているグレートヒマラヤトレイル(GHT、Great Himalaya Trail)は、ネパールの北辺を西はフムラ(Humla)やダルチュラ(Darchula)から東はカンチェンジュンガ(Kanchenjunga)までをつなぐ一大トレッキングルートで、未開発部分も含めて、世界中のトレッカーから耳目を集めています。 こうした、東西にも高さにも大きなスケール感を持ち、かつ奥地であっても一定のサポートができる体制を持つ場所は、実はネパール以外にあまり見当たらず、世界最高峰からわずか20km南に国内最低地点である60mの標高点があるというユニークさとあいまって、ネパールが特別な行き先として選ばれている理由のひとつになっているのではないでしょうか。


大半のツーリストはトリブヴァン国際空港を利用してカトマンズから入国されると思いますが、トレッキング等に必要なパーミッション(許認可)も、すべてカトマンズで取得できます。これらパーミッションは、トレッキングの間、常にチェックポストその他で提示が求められますので、大事に保管していつでも出せるようにしておいてください。

「長丁場のトレッキングはちょっと・・・」という方には、カトマンズ盆地から数時間あるいは1~2日の短期行程で行くことができるルートや場所もあります。手軽に行けるわりには、カトマンズの北に見えるヒマラヤの峰々を普通に見られる絶景ポイントもありますので、代理店等に確認してみて下さい。

1960年代はほとんどトレッカーは居ませんでしたが、高峰や未踏峰を目指していた大きな登山隊が、主として隊の財務収入の足しにするために自国の山好きをトレッカーとして同行し、案内を始めたのがトレッキング興隆の第一歩でした。

今ではかつてのトレッキングの面影はどこへやら、ルートは整備され、電化は進み、ドリンクや食料の流通体制もだんだん出来上がってきています。ロッジや休憩所もたくさんできていて、南西アジアのヒマラヤ山岳帯では他に類をみない山行体制が着々と形成されつつあります。

ロッジもビジネスとしてしっかり管理されるようになって来ていて、近年求められる携帯機器の充電やインターネット接続も、最新世代のものとはいかなくても地域なりにできるようになっています。

人気ルートをあげるならば、筆頭はなんといってもエベレスト街道周辺、次が人類初登のアンナプルナ山域、そしてカトマンズから最も近いランタン方面の三つになるでしょう。アクセスの良さという点では後者二つのルートに軍配があがるでしょう。 とはいえそうしたポピュラーでないルートを好むトレッカーも多く、それでグレートヒマラヤトレイルという考え方が、近年、支持されています。これまであまりアクセスの良くなかったカンチェンジュンガ(Kanchenjunga)やマカル-(Makalu)、ドルポ(Dolpo)といった地域にもトレッカー来訪の可能性が広がっており、期待が高まっています。しかしながら基本的にトレッキングのためには、快適な文明生活を送れる首都や地方都市を離れ、数時間~数日をかけて入山する必要があります。国内線を乗り継がないと登山口へたどり着けないようなルートもあります。

ネパールは南部の亜熱帯のタライ平原から徐々にせりあがり、北はツンドラ気候のヒマラヤ高山地帯まで、と、南北わずか200kmあまりの中に盛りだくさんの気候を持っている国なので、植物相や動物相のほか、面白いほど雑多な事物がトレッキング中に観察できるのも売りです。近隣諸国でもこうした特徴を持つ地域はありますが、国や地域が認可・整備した体制のもとで手軽に歩いて入って行けるところはそんなに多くありませんし、ロッジ等については他国他地域に勝るとも劣らないという自負があります。

アクセシビリティの面では、大半のルートで登山口までの定番経路が用意されていますが、いくつかのルートでは国内線を乗り継ぐ必要があったり、エベレストやアンナプルナ、マナスルやカンチェンジュンガといったエリアであっても、トレッカーが少ないコースではテント泊での行動が求められたりと、至れり尽くせりとはいかないところも多々ありますので、よくご確認ください。


トレッキングのシーズンとしては、一年中歩けるといえば歩けますが、やはり雨季には降雨の影響が大きく、冬場は寒さと日の短さがネックとなるでしょう。それでも装備や行動計画を準備しておけば、雨季は咲き誇る植物を楽しむ山歩きができますし、冬場は比較的晴天の日が多く、紺碧の空の下で光り輝く銀嶺が印象的な山旅になるでしょう。 ムスタンからアンナプルナ・マナスルの北側にかけての地域や、ドルポからダウラギリ(Dhaulagiri)北面にかけての地域、およびネパール極西部からサイパルヒマール(Saipal Himal)にかけての地域は、レインシャドウ(Rain Shadow、雨陰)と呼ばれ、標高の高い山に遮られて雨雲の水がすべて落ちてしまうため、雨季でも雨の少ない地域として知られています。従って、このあたりであれば雨季のトレッキングでも比較的降雨の少ない山行きが可能です。 春には突発的な嵐がつきものですし、夏は短く、すぐにモンスーンになってしまいますので、事前に情報を集め、ご自分の休暇の時期に最適なルートを選んでお出かけください。


ポーターやガイドの雇用についてですが、ときどき、自分は大丈夫だ、とか、少しでもコストを減らしたいから、と、断ってしまう方が居られます。自国を遠く離れた上に、文明国と比べて未整備かつ救助手段の少ない(医者や薬局すら簡単には見つからない)場所へのトレッキングに行くのに、誰も味方がいない状態で入山するというのは、無謀もしくは無責任のそしりを免れないでしょう。何かあったら周りのネパール人がなんとかしてくれるだろう、というのは、当地を信頼して頂いて嬉しい反面、その救助に要する時間や金銭を無料であてにしていることにもなり、そこでみなさんを助けるひとびとが気の毒になります。ご自身でお礼ができるなら良いでしょうが、そうでない場合はタダ働きの強要にもなりかねませんので、やはり最初からきちんとしたガイドを同行するようにお願いしたいと思います。


ポーターについても、自分の体力的自信やコストといった観点だけでなく、自らのトレッキングプロジェクトを補佐してくれる「ポーター業務の発注」と考えてみてはいかがでしょうか。農業のほかになかなか金銭収入のないトレッキングルートの地元のひとびとは、あなたの行動にまつわる仕事をすることで宿泊収入や食材の売上げ収入、荷運びや掃除等の対価を貴重な現金収入源としています。ポーター業務を発注することで、相手は現金収入を得て家族扶養や生活向上の糧とすることができ、あなたは体力的に少し楽になって、よりトレッキングを積極的に楽しめるでしょう(疲労が少なければ高山病の危険も減ります)。それ以上に、地元に詳しいポーターであれば道案内だけでなく、村々で抱える課題やその背景事情、祭祀や伝統信仰の解説、地元の名物や名産品の紹介等々、ガイドだけでは把握しきれない補足情報も得ることができるでしょう。何より、貴重な時間を使ってのトレッキングに同行してもらうことで、あなたの地元友達が一人増えることにもなります。


「一生心にのこる旅」


一人で細々と歩くのがお好みかもしれませんが、危険を担保し、より多くの情報が得られる上に地元にも貢献できる山歩きについて、今一度お考え頂ければ大変嬉しく思います。

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