ネパールは南北に大きな高度差(8,800m弱)を持っているため、気候もそれぞれの地点で大きく変わります。ヒマラヤのある北部の場合、当然夏はとても涼しく、冬は極めて厳しい寒さに見舞われます。標高の低い南部テライ地区では、夏は温帯~熱帯の気候を示す一方で、冬は比較的過ごしやすい季節といえるでしょう。一般にネパールの年間気候は、次の五季に分けられます。
春季 夏季 雨季(Monsoon) 秋季 冬季
(3-4月) (4-6月) (6-9月) (9-11月) (11―3月)
一般に、標高が1000m上がるごとに気温は6度下がる、と言われていますので、ネパールで旅行をされる際には覚えておくとよいかもしれません。
南部テライ地区の気温をみてみると、夏季の気温は平均でも37度を超えており、場所によってはこれよりもっと高い気温になるところもあります。冬季は場所により7度~23度と開きがみられます。これより北の丘陵帯、中部山岳地帯やヒマラヤ山岳帯では夏は比較的涼しい一方で、冬は氷点下になるところも珍しくありません。首都のあるカトマンズ盆地はこの点、夏は19~35度、冬でも2~12度と、夏も冬も比較的快適に過ごせる気候環境にあります。
ヒマラヤ山岳地帯は、冬場に中央アジアから吹き付ける寒冷風に対して ついたての役割を果たしていると同時に、雨季のモンスーン風形成の際にはここが北限となっています。ネパールの雨季(モンスーン、Monsoon)は例年、おおむね6月半ばに始まり、9月半ばに終わりますが、全降雨量の約8割がこの時期に集中しています。残りの2割、特に冬場の雨はネパールの西部丘陵帯でみられます。年間平均降雨量は1,600mmとされていますが、これも地域によってばらつきが激しく、ポカラでは3,345mmと倍以上となる一方で、ムスタンではわずか300mmとされています。
とはいえ、ネパールに観光でお出でになる場合は、いずれの時期でも旅行は可能です。極寒のヒマラヤ山岳地帯でのクライミング等のケースを除けば、冬季といっても太陽の出る昼間はそれなりに暖かく、晴れ間から絶景をのぞき見るチャンスもゼロではありません。ヒマラヤの絶景を見るだけに特化するなら、ベストシーズンはまずモンスーン明けの秋季(9-11月)、次に春季・夏季(3-6月)になるでしょう。特に秋季は寒さもまだ厳しくなく、ネパールの秋晴れの空の下、降雪を身にまとったヒマラヤの白峰が目にまぶしい季節です。ただネパールにはヒマラヤ以外にも楽しんで頂けるものがたくさんあります。シャクナゲその他の植物が咲き誇る春季、夏季、雨季もまた趣があるものです。
主要な観光地の気温は以下の通りです。
都市名 | 夏季~雨季 (5~7月) | 冬季 (12~2月) | ||||
最高 (°C) | 最低 (°C) | 雨量(mm) | 最高 (°C) | 最低 (°C) | 雨量(mm) | |
カトマンズ | 28.1 | 19.5 | 312 | 19.3 | 3.0 | 15.4 |
ポカラ | 29.7 | 21.3 | 829.7 | 20.3 | 7.7 | 26.3 |
チトワン | 33.0 | 25.3 | 404.0 | 24.1 | 8.3 | 13.8 |
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森林土壌保全省水文・気象局(Ministry of Forest and Soil Conservation, Department of Hydrology & Meteorology)https://www.dhm.gov.np