多様なネパールの生態系

多様なネパールの生態系

多様なネパールの生態系

多様なネパールの生態系

ネパールの野生動物は、一般生息種と保護種に大きく分けられます。一般生息種といってもレオパルド(Leopard)やマダラジカ(Spotted Deer)、ヒマラヤヤギ(Himalayan Tahr)やブルーシープ(Blue Sheep)など、いずれも一見の価値のある動物種といえるでしょう。これら一般生息種動物は、ネパール国内を旅行していれば普通に野生動物として巡り会う機会の多いものです。保護種にはほ乳類26種、鳥類9種、は虫類3種が含まれます。これら保護種動物は原則として彼らの原生地で保護されています。

保護種動物についてさらに詳しく見る 

ネパールの固有種には、ヒマラヤ野ねずみ(Himalayan Field Mouse)、タテジマヤブチメドリ(Spiny Babbler、スズメ目)、ミヤマハッカン(深山白鷴、Nepali Kalij、キジ目)などのほか、は虫両生類(Herpetofauna)に14種、魚類に6種が発見されています。

ほ乳類:

ネパール国内の様々な場所で、全185種のほ乳類の存在が確認されています。バルディア国立公園で大量に見られたアジアゾウ(Asiatic elephant)は、今では非常に少なくなっています。この国立公園は、西部タライ地方からインドのコルベット国立公園へと至るゾウの移動ルート上にあります。一角サイ(Greater One-horned rhinoceros)も、タライ平原内の国立公園で見ることが出来ます。東部タライにあるコシタップ野生動物保護区の野生の水牛(Wild buffalo、ネパールではArnaと呼称)は極めて少ない、とされていましたが、近年の報告によればその数は増えつつあるとされています。ロイヤルベンガルタイガー(Royal Bengal Tiger)や一角サイ(Greater One-horned rhinoceros)は絶滅危惧種に指定されており、特にロイヤルベンガルタイガー(Royal Bengal Tiger)を国立公園で見つけるのは非常に困難です。クマ(bear)やレオパルド(leopard)は、たまに見ることがあります。一方で、ガンジスイルカ(Gangetic dolphin)はナラヤニ川やカルナリ川で見かけることが出来ます。上部ヒマラヤには、滅多に見られないユキヒョウ(snow leopard)が生息しています。標高の高い地点に居るその他の生物としては、ヤク(yak)、ブルーシープ(blue sheep)、ヒマラヤヤギ(thar)、ジャコウジカ(musk deer)等が居ます。南部タライ平原には、ナマケグマ(sloth bear)、サル(monkey)、ヤセザル(langur)、チッタル(chital、シカの一種)、マダラジカ(spotted deer)、吠えジカ(barking deer)等が生息しています。ネパール南西部に位置するスクラファンタ野生動物保護区ではインドヌマシカ(swamp deer)が見られ、バルディア国立公園では絶滅危惧種のインドレイヨウ(blackbuck)を見ることが出来ます。インドレイヨウ(blackbuck)については、ネパール政府が特にバルディア地区に15.95平方キロメートルに渡るインドレイヨウ保護区を宣言してこの種を守ろうと努力した結果、いまでは繁殖が進みつつあります。ネパールで見られるほ乳類はこのほかにも、ハイエナ(hyena)、ジャッカル(jackal)、イノシシ(wild boar)、アンテロープ(antelope)、ヤマネコ(wild cat)、レッサーパンダ(red panda)、カワウソ(otter)、オオカミ(wolf)等多岐に渡っています。これらのほ乳類動物の大半はチトワン国立公園で見ることが出来ます。レッサーパンダは極めて注意深い生態を持っているため めったにお目にかかれませんが、運が良ければランタン国立公園とカンチェンジュンガ保護区で見ることができるでしょう。カワウソ(otter)はララ国立公園内のララ湖で見ることが出来ます。ドルパタン狩猟指定区ではブルーシープ(blue sheep)とヒマラヤヤギ(thar)を見ることが出来ます。

は虫類:

ネパールにはワニの固有種が2種居ます。一種はガリアル(gharial)で魚類を補食しており、細長い鼻部を持っています。もう一種はヌマワニ(marsh mugger、沼わに)で、捕らえたものはなんでも食べてしまう雑食種です。ガリアル(gharial)については繁殖プロジェクトが成功し、絶滅を逃れることができました。ネパールに居る蛇の種類としては、コブラ(cobra)、雨傘ヘビ(krait)、マムシ(viper)、インドパイトン(Indian python)等があります。その他のは虫類としてはカメ(turtle)、オオトカゲ(monitor lizard)が居ます。これらの は虫類生物の中には、チトワン国立公園やバルディア国立公園で見られるものも居ます。

鳥類:​

ネパールで観察記録のある鳥類は850種以上にのぼります。驚くのは、カトマンズ盆地で観察されたものだけでこのうちの半分を占めていることです。ただしネパールでは南部タライでも中間丘陵地帯でも、さらには高地北部ヒマラヤでも、バードウォッチングが可能です。

カトマンズ盆地の中でも鳥類の活動が活発な場所はナガルジュン(Nagarjun)、ゴダワリ(Godavari)、プルチョウキ(Phulchowki)の3カ所です。なかでも標高2,700mのプルチョウキは希少種ズアカキヌバネドリ(read-headed trogon)が2000年4月に観察されたことで知られており、カトマンズ盆地内から18km南東にあって、ゴダワリ経由で行くことができます。この地域だけで90種程度の観察記録があり、その中にはネパールで見つかるまでは絶滅したと考えられていたタテジマヤブチメドリ(spriny babbler)が含まれています。

このほかのネパールの鳥類を少し挙げると、セアカチメドリ(cutia)、クマタカ(mountain hawk eagle)、チャバラアカゲラ(rufous-belliedpied woodpecker)、キバネダルマエナガ(black-throated parrotbill)等になります。冬には水鳥も渡ってきて、春になるまでタウダハ湖(Taudah lake)に留まります。

上記以外の観察スポットとしては、カトマンズ盆地の12km北にあるシヴァプリ(Shivapuri)国立公園と、カトマンズ盆地の北西にあるナガルジュン(Nagarjun)の森があります。シヴァプリ国立公園へは、スンダリジャルから行くか、ブダニルカンタから行くか、2通りのルートがあります。

 チトワン(Chitwan)はタライ平原として知られるネパール南部の低地にあり、バードウォッチングの最適地として知られるチトワン国立公園があります。ここでは絶滅危惧種のハゲワシ(vulture)を汚染された食品から守るために、「ハゲワシレストラン」とよばれるエサ場を建設し、安全な生肉を彼らに提供しています。コシ・タップ(Koshi Tappu)エリアは一年をここで過ごす留鳥だけでなく、各地からの渡り鳥の住み家にもなっており、鴨類(duck)だけでも26種が確認されています。ほかにはカタジロトキ(black ibis)、ハチクマ(honey buzzard, or honey kite)、ミサゴ(osprey)、アビシニアコウライウグイス(black-headed oriole)、ハヤブサ(peregrine falcon)、ヤマウズラ(partridge)、アカツクシガモ(ruddy shelduck)、コウノトリ(stork)、ハゲワシ(vulture)、ワシ(eagle)等を始め、485種類もの鳥類が観察されています。

バルディア国立公園はサラノキ(sal、沙羅双樹)や森林で覆われており、川辺の樹林帯や草原はチトワン国立公園と似通っていますが、なんと言ってもここには大河・カルナリ川が流れています。このカルナリ川へボートでこぎ出せば、アオサギ(heron)やウ(cormorant、鵜)やコウライウグイス(oriole)その他の様々な野鳥を見ることが出来ます。さらに高度の上がったトレッキングルート周辺でのバードウォッチングもいいでしょう。希少種チャイロカッコウハヤブサ(Jerdon’sbaza)などの観察記録があります。ヒマラヤ山岳地帯では捕食鳥類や猛禽類を見ることができますが、ネパールの国鳥であるテイオウキジ(impeyan pheasant)もこのあたりに生息しており、地元ではダンフェ(daphe)と呼ばれています。

またルンビニでは過去数年にわたって、保護団体によるオオヅル(sarus crane)の保護活動が行われてきました。ここではオオヅル(sarus crane)その他の水鳥の避難地として、わざわざ湿地帯を建設したほどです。

さらに詳しい生態系の情報をお求めの場合は・・・

森林土壌保全省国立公園動植物保護局(Ministry of Forest & Soil Conservation, Department of National Parks & Wildlife Conservation)http://www.dnpwc.gov.np/ 

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