ネパールの 人々

ネパールの 人々

ネパールの 人々

ネパールの 人々

中央統計局の最新の調査では、ネパールの総人口は26.62百万人でした。内訳としては、約92の異なる言語や地域語を持つ101あまりの民族が、さらにそれぞれのカーストに分割され構成されています。人口構成比や分布を知ることで、これらカーストやそれら民族的特性等は、わりと容易に理解できるといえるでしょう。

それぞれの民族にそれぞれの民族言語や伝統的慣習があり、今なお堅固に守られていますが、言語という側面からみると、ネパールを国として統一しているのがネパール語です。ネパール語はネパール唯一の公用語とされており、教育や公用目的に使われるのは当然ながら、大半の国民の間で使われ、話されています。また公的機関や多くのビジネス関係者の間では英語も普通に使われています。英語はまた、首都カトマンズやこれ以外の主要都市の学校、特に私立学校でも、教育・学習用の言語として使われています。

北部ヒマラヤ山岳帯のひとびと:

ネパールの北部、ヒマラヤ山岳地帯に住む人々は総じてチベットの流れを汲む場合が多く、言葉もチベット系のものが多く使われています。代表的なのはシェルパ(Sherpas)、ドルパ(Dolpas)、ロパス(Lopas)、バラガオンリ(Baragaonlis)、マナンゲ(Manangis)などのひとびとです。シェルパ族はヒマラヤ山岳帯でも東部ヒマラヤにあるソル(Solu)地区およびクンブー(Kumbu)地区の居住民です。ロパス(Lopas)とバラガオンリ(Baragaonlis)の両種族は、高峰の影響で雨雲が回ってこないことが原因で発生する「雨陰(Rain Shadow)」のためにできる高所砂漠地帯の住民で、主にムスタン周辺に居を構えてきました。ドルパ(Dolpas)とマナンゲ(Manangis)はその名の通り、ドルパ地区、マナン地区に暮らしてきたひとびとです。

中部山岳帯および分水帯大渓谷のひとびと:

ネパールを南北の視点から見たときに、ちょうど中間帯に横に広がる中部山岳帯およびこれにより形成された分水帯大渓谷に居住している人々で、数え切れないほどの多様な民族が居ます。一例を挙げるだけでも、マガル(Magars)、グルン(Gurungs)、タマン(Tamangs)、スンワル(Sunuwars)、ネワール(Newars)、タカリ(Thakalis)、チェパン(Chepangs)、ブラーミン(Brahmins)、チェトリ(Chhetris)、タクリ(Thakuris)等々、聞き慣れた名前が出て来ます。この地域では職業カーストも見られ、一例はダマイ(Damai、服飾製造)、サルキ(Sarki、履き物製造)、カミ(Kami、鍛冶屋)、スナル(Sunar、金職人)などがあります。

カトマンズ渓谷の先住民族  :

カトマンズ(旧称カンティプール、Kantipur)はその周辺にあるパタン(旧称ラリトプール、Lalitpur)、バクタプール(旧称バドガオン、Bhadgaon)も含め、渓谷全体としてネパール各地から様々なルーツ、民族的背景をもった人々を集める「人種のるつぼ」として発展してきました。ここに古来から居住してきた先住民族がネワール族(Newari)で、仏教とヒンズー教が混沌と混ざり合った宗教観、伝統文化・装飾文化を持つことで知られています。彼らの多くは太古の昔からあった仕事を生業としており、農業をベースにして、原始的食品加工業や祭祀関係装備の製造加工業、服飾、役人、商人等々、その職業背景はさまざまです。

テライ平野部のひとびと:

ネパール南部に広がる平野部に住む代表的な民族は、タルー(Tharus)、ダライ(Darai)、クムハル(Kumhal)、マジ(Majhi)などのひとびとです。北部ヒマラヤ山岳地帯の人々がチベット系言語を話すのと対照的に、このあたりの人々は北インド語を話すことが多く、マイティリ語(Maithili)やボジプル語(Bhojpuri)が広く話されています。ヒンディー語(Hindi)も普通に使われています。テライ平野は肥沃な大地のため、多くのひとびとが農業に従事して生活していますが、それ以外の職業を生業とする職業カーストに属するものも居ます。例えばクムハル(Kumhal)は陶工、マジ(Mahji)は漁民、ダヌワル(Danuwar)は荷運び車の運転を生業とするひとびと(御者)です。

さらに詳しい人口・民族・統計等の情報をお求めの場合は・・・

中央統計局(CBS、Central Bureau of Statistics) http://census.gov.np/

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