ヨガ

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ヨガ

ヨガ修行により解脱に到ることを説いたヨーガ・スートラ。ヨガは身体的鍛錬というよりも、心身をコントロールすることにより、思想的に解放された空私一体の境地に到達することを目的とした精神的覚醒行為です。ネパールの寺院やヒマラヤ、タライの野の中で大きな空を感じながら瞑想すれば、心身ともに浄化され、健全な自分に戻ることができるでしょう。


パタンジャリの八階梯(ヨガの八つの修養段階)は、ひとが逃れることの出来ない死の世界に分け入り、もともと備わっている自らの精神性を深く掘り下げていくプロセスです。心の動きを抑制するものとしてのパタンジャリのヨガは、①制戒(Yama、Self-restraint)、②内制(Niyama、Self-observance)、③座法(Asana、Posture)、④調息(Pranayama、Breathing techniques)、⑤制感(Pratyahara、Withdrawal of the Sences)、⑥凝念(Dharana、Concentration)、⑦静慮(Dhyana、Meditation)、⑧三昧(Samadhi、Identification with pure Conschousness)の各段階を経て最終境地に到達するとされていますが、⑤の制感のあとの⑥~⑧の階梯は、一度に同時に訪れるといわれます。


一般にヨガといえば③の座法(ポーズ)のイメージがあり、体操の一種のように思われがちです。確かに身体の柔軟性と健康を取り戻し、頭もすっきりしたように感じるという意味では体操とも言えますが、上述した通り、ポーズの体得はまだまだ八階梯の半ば、というより、凝念、静慮、三昧の境地に到るための入り口に過ぎません。ただ、そうした精神性の側面をあまり意識しなくても、ヨガレッスンのさまざまな座法があなたの心身を元気にしてくれることは間違いないでしょう。


このようなことを知ると、ヨガとメディテーションが実は根底でつながっていることがご理解頂けるでしょう。布教活動の中で道徳や倫理を説く一方で、メディテーションにより三昧の境地に到る方法を見いだしたのは、ブッダの大きな功績の一つといえます。ヨガレッスンに集中するのも、メディテーションで過ごすのも、あるいはその両方を合わせてやってみても、それをネパールで体験する、ということに意味があります。


カトマンズには数え切れないほどのヨガインストラクターやアーユルベーダセラピストがいて、それぞれに体験コースやラーニングセンター、養成コース等を開設しています。じつのところ、カトマンズはヨガやメディテーションの師範のメッカと言ってもよく、この状況がさらにたくさんの体験希望者を惹きつける大きな要因となり、世界的なブームの発信源となっています。


ツーリストのみなさんが一度は訪れるであろうタメル地区であれば、ホテルやレストラン、お店などの掲示板をこまめに見てみましょう。ひとつやふたつは、必ずと言って良いくらい体験教室や各種コースの案内が出ています。

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